結論:こどものうたの仕事は多いが、どれも土台は「発声」
こどものうたに関わる仕事は、ひとつではありません。教える、歌う、伴奏する、つくる。道はいろいろあります。
ただし、どの道でも共通する土台があります。それは正しい発声、つまり声の出し方です。
こどものうたに関わる、いろいろな仕事
- うたの先生 — 保育園や音楽教室で、こどもと歌います。楽しさを伝える役です。
- 合唱の指導者 — こども合唱団をまとめ、声をそろえます。
- 歌い手・演者 — 番組や舞台でこども向けの歌をうたいます。
- ピアノの伴奏者 — 歌に寄りそって弾きます。
- 声の作り手 — 録音や動画のために歌を吹きこみます。
どの仕事も、まず自分の声を整えるところから始まります。
なぜ「発声」が土台なのか
こどもの声は、まだ育っている途中です。だから、無理な出し方を見せるわけにいきません。
自分が正しく声を出せると、こどもにも安心して伝えられます。
逆に、発声があやふやだと、教えるときに迷います。土台があるほど、どの道にも進みやすくなります。
レパートリーは「版権切れ」の曲から
レパートリーとは、自分が歌える曲のことです。最初は、版権切れの曲から集めると安心です。
版権切れとは、作った人が亡くなってから長い年月がたち、自由に使えるようになった曲を指します。
こどものうたには、こうした曲がたくさんあります。
- 滝廉太郎の曲(「お正月」など) — 明治時代の作曲家です。
- 岡野貞一の曲(「ふるさと」「もみじ」など) — 学校でおなじみの唱歌です。
- 成田為三の曲(「浜辺の歌」「かなりや」など)
- 草川信の曲(「夕焼小焼」「ゆりかごのうた」など)
- わらべうた・古い唱歌(「さくらさくら」など) — 作者がわからず、昔から歌いつがれた曲です。
これらは無料の楽譜サイトでも見つかります。練習や発表に、気がねなく使えます。
教える側になる道もある
歌う仕事だけが、ゴールではありません。教える側に回る道もあります。
こどもに教えるとき、役に立つことがあります。
- 自分の発声を、ことばで説明できること — 「お腹で支えて」だけでなく、なぜそうするかを伝えます。
- 声の成長を待てること — こどもの声はデリケートです。大声を無理に出させません。
- 楽しさを守ること — まちがいを強く直すより、できたことをほめます。
教える力は、生まれつきではありません。少しずつ学んで、身につけられます。だから、ひとりで悩まなくて大丈夫です。
体の違和感を感じたら
長く歌うと、のどがつかれることがあります。こどもも大人も同じです。
声がかすれたり、痛みや強い違和感が続いたりするときは、無理をしないでください。早めに、耳鼻科などの専門機関へ確認しましょう。
声を守ることが、長く続けるための一番の近道です。
まとめ:まず土台、それから自分の道へ
こどものうたの仕事は、ひとつに決めなくてかまいません。歌う道も、教える道もあります。
でも、どの道でも土台は同じ。正しい発声です。そこから、自分に合う道がだんだん見えてきます。
どの関わり方が自分に向いているか、セルフチェックでやさしく確かめてみてください。きっと、次の一歩のヒントになります。
一度離れた時間も使える
音楽や声との関わり方は、仕事にするか、趣味に戻すかの二択だけではありません。
私の入口は、いつも特別な舞台だったわけではありません。入口は幼稚園で歌った季節の歌。家でも手遊び歌や童謡が身近で、音楽は上達より遊びの延長として始まりました。児童館、親子向けイベント、学校の歌唱サポートを経験。子どもが小さな声から入る瞬間を大切にしています。ここで書くときも、読者が自分の足元から考えられる順番を大切にします。
児童館で小さな声がぽろっと出た瞬間を見たことがあります。あの一声は、上手に歌えたかどうかよりずっと大切でした。
私が「こどものうたに関わる仕事」で大切にしたいのは、知識を増やすことだけではありません。読んだ人が、自分の声や生活に一度戻れることです。正しく歌わせる前に、声を出したくなる空気をどう作るかから書きたいです。
好きだった音を思い出す
童謡、手遊び歌、季節の歌、短いコールアンドレスポンス。子どもがすぐ真似できる旋律を好みます。その聞き方が、私の中では「こども」の見方にもつながっています。リズムは手拍子、足踏み、言葉遊びで感じるタイプ。シンコペーションより、体が自然に動く二拍子や四拍子を好みます。声は白黒で判定するより、動いたところを拾うほうが続きます。
同じ「童謡」でも、歌う人、話す人、教える人、運営する人では見える景色が変わります。私はその違いを、向き不向きの一言で終わらせたくありません。声の高さ、言葉の置き方、リズムへの乗り方、安心する響き。その人が自然に選んできたものの中に、次に伸ばせる方向が残っています。
戻りたいのに動けない日
子ども向けの歌では、正しく歌わせる前に、子どもが声を出していいと思える空気を作ることがあります。小さな声で入り、最後だけ少し大きく歌えた。その変化を見落とさないことが、仕事の信頼につながります。
ここで難しいのは、知識を足せば足すほど安心できるとは限らないことです。練習名や仕事名を知っても、今の自分に合うかは別の問題です。
だから私は、「小さな声を待つ」のように、すぐ確かめられることを一つ置きます。小さく試して残った感覚のほうが、次の判断に使いやすいからです。
仕事と趣味を分けすぎない
迷いが強いときは、いきなり答えを決めずに、次の三つへ分けてみてください。
- 今すぐ試せること
- 誰かに見てもらったほうがよいこと
- まだ決めなくてよいこと
この分け方をすると、「こども」の不安と「童謡」の不安が少し離れて見えます。全部を同じ重さで抱えなくていい。私も、遠回りの中で何度もこの考え方に助けられてきました。
だから、できたかどうかより、声を出したくなる環境や言葉を大切にしています。
使える時間を書き出す
今日できることは、いまの生活で声や音楽に使える時間を、理想ではなく現実の数字で見ることです。
紙でもスマホのメモでもかまいません。まずは「こどもについて気になること」「童謡について不安なこと」「今日ならできそうなこと」を一行ずつ書いてみます。
余裕があれば、「歌い始める前に表情を見る」も試してみてください。大きな決断をする前に、小さく記録する。そのほうが、自分の変化に気づきやすくなります。
遠回りを言葉にする
誰かの相談を受ける立場になったとき、自分の遠回りや迷いも、同じ場所で立ち止まる人への手がかりになります。
もし将来、あなたが誰かに声を教えるなら、「こども」というテーマは自分だけの知識では終わりません。相手が同じところで迷ったときに、どう言葉を置くか。その練習にもなります。
教える人に必要なのは、完璧な答えをすぐ出すことだけではありません。相手の声を聞き、今どこで止まっているのかを一緒に見つけることです。自分が迷った経験を覚えている人ほど、その確認が丁寧になります。
小さな入口を残す
小さな声で歌い始めた子が、最後だけ少し大きく歌えた場面を何度も思い出します。
「こどものうたに関わる仕事」に答えを出す前に、今の自分がどこで反応したかを残しておいてください。読みながら少し安心したところ、逆に不安が強くなったところ、あとで誰かに聞きたいところ。そのメモが次の入口になります。
声と音楽を続ける道は、一度離れた経験も含めて作り直せます。
声や音楽の道は、きれいな直線だけでは進みません。立ち止まった日も、あとから見れば必要な確認だったとわかることがあります。
声診断に渡す前のメモ
声診断へ進む前に、この記事で残ったことを三つだけメモしておくのもおすすめです。「気になった言葉」「まだ不安なこと」「今日ならできること」。この三つがあると、LINEで診断を受けたあとに結果を自分の生活へ戻しやすくなります。
「こども」も「童謡」も、すぐに正解を選ばなくて大丈夫です。声の仕事や学び方は、今の生活、使える時間、届けたい相手によって形が変わります。
私がここで促したいのは、勢いで決めることではありません。声診断を、いまの現在地を見つけるための小さな確認として使うことです。
この記事は参考になりましたか?
記事改善のための参考スコアとして記録します。
よくある質問
- こどものうたに関わるには、学びの証が役立つですか?
- 特別な資格は、かならずしも必要ありません。大切なのは、正しい発声と、こどもに寄りそう気持ちです。どちらも、学んで身につけられます。
- 版権切れの曲は、どこで見つかりますか?
- 無料で楽譜を公開しているサイトで探せます。滝廉太郎や岡野貞一など、昔の作曲家の曲が中心です。まずは知っている童謡から集めると始めやすいです。
- 歌が今は上手でなくても、こどもに教えられますか?
- はい。今の上手さより、これから学ぶ気持ちが大切です。自分の発声を整えながら、教え方も少しずつ学べます。ひとりで抱えこまなくて大丈夫です。
参考にした一次情報
- CPDL(Choral Public Domain Library)— 版権切れ合唱・声楽曲の楽譜
- IMSLP(ペトルッチ楽譜ライブラリー)— 版権切れ楽譜の一次データ
- 日本の童謡・唱歌(滝廉太郎 没1903/岡野貞一 没1941/成田為三 没1945/草川信 没1948)はいずれも著作権保護期間が満了
次に進む3つの入口



