結論:声を休めるとは「黙る」だけでなく、軽く整えて回復を助けることです
声を休めると聞くと、まったく声を出さないことだと思いがちです。でも、それだけではありません。声を休めるには、二つのやり方があります。一つは、しっかり止める休み方です。もう一つは、軽く整える休み方です。この記事では、両方をやさしく説明します。
声を休めると、のどはどう回復するのか
声を出すと、のどの中にある「声帯」という小さなひだが、とても速くふるえます。長く使うと、声帯は少しはれたり、つかれたりします。そこで休むと、はれが引きます。つかれもとれます。
休み方には、二つの段階があります。
- しっかり休む:声をほとんど出さない。けがや手術のあとに使う。
- 軽く休む:必要な分だけ静かに話す。ふだんの回復に使う。
どちらが合うかは、声の状態で変わります。
やってはいけない休み方:ひそひそ声
声を休めたいとき、ひそひそ声で話す人がいます。でも、これはおすすめできません。ひそひそ声は、じつは声帯に強い力をかけるからです。だから、しっかり休みたいときは、紙に書く・スマホで打つなど、声を使わない方法が安全です。
公演や長い練習のあとは、軽く整えてから休む
長く歌ったあと、いきなりだまるのは、じつはよくありません。急に止めると、のどの筋肉がかたまったままになるからです。そこで、軽く整えてから休みます。これを「ウォームダウン」と呼びます。
手順はかんたんです。
- ハミング(口を閉じて鼻で「んー」)を数分。
- 低い声から中くらいの声へ、ゆっくり上げる。
- ため息のように「あー」と楽に出す。
- 首や肩を軽くのばす。
- 温かい水を少し飲む。
これで、つぎの日の声が楽になります。
ねむりと水分も、声の休みの一部です
声を休めるのは、声を出さない時間だけではありません。ねむりと水分も、大事な休みです。
ねむっている間に、声帯は自分で回復します。大人は7〜9時間がめやすです。本番の前は、前日だけでなく、2〜3日前から多めにねむると安心です。
水分も毎日とりましょう。声帯の表面がうるおうと、少ない息で楽に声が出せます。コーヒーやお酒はかわきやすいので、その分だけ水を増やします。
教えるときに役立つこと
生徒に「休んで」と言うだけでは、伝わりません。何をどうするかを、具体的に見せましょう。
- 「だまる」と「軽く整える」を分けて教える。
- ひそひそ声がよくない理由を、実演で見せる。
- レッスンの最後に、いっしょにウォームダウンをする。
- ねむりと水分も「練習の一部」だと伝える。
声がかれている生徒には、無理をさせないことが第一です。声がかすれる・痛みが続くときは、休みをすすめてください。そして、痛みや強い不調があれば、専門機関へ相談するよう必ず伝えましょう。教える人が休み方を知っていると、生徒の声を長く守れます。
さいごに
声を休めることは、声を育てることと同じくらい大切です。あなたは、声を教える仕事に向いているかもしれません。気になった方は、適性診断で確かめてみてください。
よくある質問
- 声を休めるときは、まったく声を出してはいけませんか?
- いつもそうとは限りません。けがや手術のあとは、ほとんど声を出さない方がよい場合があります。ふだんの回復なら、必要な分だけ静かに話す軽い休み方で十分なことが多いです。どちらが合うかは声の状態で変わります。痛みや強い不調があれば専門機関へ相談してください。
- 声がつかれたとき、ひそひそ声なら大丈夫ですか?
- ひそひそ声はおすすめできません。じつは声帯に強い力をかけてしまうからです。しっかり休みたいときは、紙に書く・スマホで打つなど、声を使わない方法が安全です。
- ねむりや水分も、声を休めることに関係しますか?
- はい、関係します。ねむっている間に声帯は回復します。大人は7〜9時間がめやすです。水分をとると声帯の表面がうるおい、楽に声が出ます。どちらも声の休みの一部です。
参考にした一次情報
- MUSEION 声楽用語事典(声のケア(休息)の章)

