コンコーネなど練習曲集の使い方

やり方カンタ監修: 上野目 泰之3

コンコーネやヴァッカイなど版権切れの練習曲集を、声づくりの土台として無理なく使うやさしい手引きです。

結論

練習曲集は「土台の発声」を整える道具です。曲を覚えるより、息と音程をていねいに使う練習に向きます。

練習曲集ってなに

練習曲集とは、歌の基礎をみがくための短い曲を集めた本です。歌詞ではなく「ア」や「ラ」などの声で歌うものが多くあります。

  • ねらいは、なめらかな声・正しい音程・安定した息です
  • 1曲が短いので、毎日少しずつ続けやすいです
  • 言葉の意味に気を取られず、声そのものに集中できます

つまり、上手な表現も土台の発声があってこそ、という考え方が根っこにあります。

代表的な版権切れの曲集

ここで紹介する曲集は、作った人が亡くなって長い時間がたち、自由に使える状態(パブリックドメイン)です。楽譜はIMSLPなどで無料で手に入ります。

  • コンコーネ 50番(Op.9):いちばん定番のやさしい本です。1曲ずつ短く、最初の一冊に向きます
  • ヴァッカイ(イタリア唱法の実習):15の課で、音程を少しずつ広げて学べます
  • パノフカ/リュトゲン/マルケージ/ジーバー:少し慣れてきた人向けの曲集です

どれも有名な指導者が作った教材で、今も世界で使われています。

つまずかない進め方

あせらず、低いところから始めるのがこつです。順番をおすすめします。

  1. まず音だけを聞き、メロディを覚えます
  2. 「ウー」など一つの母音で、ゆっくり歌います
  3. 息がつづくところで区切り、無理に伸ばしません
  4. 音程が合っているか、ピアノやアプリで確かめます
  5. 慣れたら速さや強弱を少しずつ加えます

うまくいかない日があっても大丈夫です。毎日5分でも続けるほうが、力になります。

体を大切にする

声は体の一部です。だから、つらいときは止める勇気も練習のうちです。

  • のどがかれる、声が出にくいと感じたら休みます
  • 高い音を無理に出そうとしないでください
  • 痛みや強い不調があれば、専門機関へ相談を

ここでは病気の診断はできません。気になるときは、医師や専門家に相談してください。

教える道もある

練習曲集は、学ぶ人だけでなく教える人にも役立ちます。歌を仕事にする道の一つに、教える仕事があります。

  • 曲集は段階が分かれているので、相手の今の力に合わせやすいです
  • 「なぜこの練習をするか」を言葉にする力が身につきます
  • 自分が通った道だから、つまずく場所を予想して支えられます

教えることは、自分の発声を見直す機会にもなります。学ぶことと教えることは、地続きです。ただし「これで先生になれる」と決めつけることはできません。人それぞれの歩み方があります。

まとめ

練習曲集は、声の土台をつくるやさしい入り口です。版権切れの曲なら、お金をかけずに始められます。一人で悩まず、少しずつ進めてみてください。

向いているか気になる方は、適性診断で確かめてみてください。

よくある質問

練習曲集はどれから始めればいいですか
まずはコンコーネ50番がやさしくておすすめです。1曲が短く、無理なく続けられます。あせらず低い音から始めてください。
楽譜は無料で手に入りますか
ここで紹介した曲集は版権切れ(パブリックドメイン)なので、IMSLPなどのサイトで無料で手に入ります。安心して使えます。
歌詞がない練習曲に意味はありますか
はい。歌詞がないぶん、声や息そのものに集中できます。土台の発声を整えるのに向いた練習です。

参考にした一次情報

  • IMSLP(国際楽譜ライブラリープロジェクト)— パブリックドメイン楽譜
  • Nicola Vaccai『Practical Method of Italian Singing』(1832年ごろ)
  • Giuseppe Concone『50 Lessons Op.9』