結論:ドイツ語の歌は「母音のコツ」「ch音の2種類」「語末の音」を順に覚えれば、初めてでも形にできます
ドイツ語の歌は、むずかしそうに見えます。でも、ポイントを一つずつ覚えれば大丈夫です。ここでは、声楽でよく使う3つのコツをやさしく説明します。むずかしい発音記号は使わず、言いかえで進めます。
ウムラウト(ä・ö・ü)は「舌と口の合わせ技」
ウムラウトとは、aやoやuの上に点が2つつく母音のことです。日本語にはない音なので、最初がいちばんの山です。
コツは、舌の位置と口の形を、べつべつに動かすことです。たとえば「ü」は、こうします。
- まず「イ」と言うときの舌の場所を作る
- その舌のまま、口だけ「ウ」のように丸める
これで「ü」になります。「ö」は「エ」の舌のまま口を丸めると出ます。鏡で口の形を見ながら練習すると、早く身につきます。
ch音は「前か後ろか」で2種類に分かれる
ドイツ語の「ch」には、2つの音があります。どちらになるかは、すぐ前の母音で決まります。これを知ると、発音がぐっと安定します。
- 前の母音が「イ・エ・ü・ö」のとき → 軽くて明るい音(日本語の「ヒャ」の息の部分に近い)
- 前の母音が「ア・オ・ウ」のとき → のどの奥で出す音(「アッハ」の「ハ」に近い)
たとえば「ich(私)」は明るい音、「Bach(バッハ)」はのどの奥の音です。前の母音を見るくせをつけると、まちがえにくくなります。
語のおわりの音は「にごりが消える」
ドイツ語では、語のおわりにある「にごる音」が、にごらない音に変わります。これは、はっきり聞かせるための決まりです。
- 「Tag(日)」は、おわりが「ク」に近い音になる
- 「Lieb(愛)」は、おわりが「プ」に近い音になる
歌でもこの決まりは守ります。語のおわりをはっきり出すと、ことばの意味が伝わりやすくなります。
語のはじまりの母音は「軽く区切る」
ドイツ語では、母音で始まることばの前に、ほんの少し間を入れます。これで、ことばの切れ目がはっきりします。
ただし、入れすぎると歌の流れが止まります。軽く、さりげなくがちょうどよい量です。フレーズの中ではつなげて歌うほうが、なめらかになります。
教えるときに役立つこと
教える人は、順番を大切にすると伝わりやすくなります。いっぺんに直さず、一つずつ進めましょう。
- まずウムラウトだけを、単語でくり返す
- 次にch音を「前の母音はどっち?」と一緒に確かめる
- 最後に語のおわりと、語のはじまりを整える
また、生徒さんごとに苦手はちがいます。鏡や録音を使って、本人が自分で気づける形にすると、上達が早まります。
のどに痛みや強い不調が出たときは、無理をさせないでください。痛みや強い不調があれば、専門機関へ相談をすすめましょう。発音は「正しさ」だけでなく、楽に出せているかも一緒に見ると安心です。
声を教える仕事に興味がわいたら、まずは自分の向き不向きを知ることからです。適性診断で確かめてみてください。あなたの強みが、きっと見つかります。
よくある質問
- ウムラウト(ü・ö)が、どうしてもうまく出ません。コツはありますか。
- 舌と口を、べつべつに動かすのがコツです。「ü」なら、まず「イ」の舌を作り、その舌のまま口だけ「ウ」のように丸めます。鏡で口の形を見ながら、ゆっくり練習すると身につきやすいです。
- ドイツ語のchは、いつ明るい音で、いつのどの音になりますか。
- すぐ前の母音で決まります。前が「イ・エ・ü・ö」なら明るい音、前が「ア・オ・ウ」ならのどの奥の音です。「前の母音はどっち?」と確かめるくせをつけると、まちがえにくくなります。
- 発音の練習で、のどが痛くなりました。続けてよいですか。
- 痛みがあるときは、無理をしないでください。発音は、楽に出せているかも大切です。痛みや強い不調があれば、専門機関へ相談しましょう。休んでから、ゆっくり再開すると安心です。
参考にした一次情報
- MUSEION 声楽用語事典(発音(ドイツ語)の章)

