ラジオパーソナリティという声の仕事

解説ことは監修: 上野目 泰之3

ラジオパーソナリティは声だけで人とつながる仕事です。役立つ力と、発声という土台、そして教える道までやさしく紹介します。

結論:ラジオパーソナリティは「声だけで人とつながる」仕事

ラジオパーソナリティは、声だけで聞く人とつながる仕事です。姿は見えません。だからこそ、声の届け方がすべてになります。土台になるのは、いつでも発声です。

どんな仕事か

ラジオパーソナリティは、番組を進める話し手です。音楽を流し、話題を語り、お便りを読みます。一人で話す番組もあれば、ゲストと話す番組もあります。

聞く人は、車の中や、家事をしながら、一人で聞いていることが多いです。だから、すぐ隣で話しかけるような、近い距離の声がもとめられます。

どんな力が役立つか

  • 聞きとりやすい発音 — 一度で伝わる、はっきりした声です。
  • 長く安定した声 — 何十分も話しても、のどがつかれにくい出し方です。
  • 声の表情 — うれしい話、しんみりした話で、声色を変えます。
  • その場で言葉を選ぶ力 — 原稿がないところでも、自然に話します。

これらは、特別な才能ではありません。発声の基礎の上に、少しずつ積み上がっていきます。

声の土台はどんな仕事も同じ

歌う声と、話す声は、ちがって見えます。でも、支える土台は同じです。

息のつかい方、姿勢、のどを守る知識は、歌でも、話す仕事でも変わりません。長く話す人ほど、この土台が大切になります。

ここで一つ、大切なことを書きます。長く話して、のどに痛みや強い違和感があるときは、がまんせず専門の機関に相談してください。声を守ることが、何より先です。

練習の入り口は「読む」こと

話す声を育てる、やさしい入り口があります。それは、声に出して読むことです。

教材には、版権の切れた曲や詩を使うと安心です。版権切れとは、作った人の死後ながい年月がたち、だれでも自由に使える作品のことです。たとえば、滝廉太郎の「荒城の月」や「花」のような古い唱歌は、歌詞も親しみやすく、声に出す練習に向いています。

歌詞をゆっくり読むだけでも、息つぎや、言葉の区切りの感覚が育ちます。むずかしい曲を選ぶ必要はありません。

「教える側」になる道もある

話すのが好きな人、声で伝えたい人は、たくさんいます。その人たちに、発声や話し方を教える指導者の道もあります。

自分がマイクの前に立つだけが、声の仕事ではありません。学んだことを人に手わたす、育てる側の道も開けています。話してきた経験は、そのまま教える力になります。

まず声の土台から

どんな声の仕事も、出発点は発声です。あせって役を決める前に、まず土台を整えると、どの道にも進みやすくなります。

自分にどんな声の道が合うのか、適性診断でやさしく確かめてみてください。

よくある質問

ラジオパーソナリティになるのに、資格は必要ですか?
決まった国家資格はありません。ただ、長く安定して話す声や、聞きとりやすい発音が役立ちます。これらは発声の基礎から育ちます。
声が低い、または高いと不利ですか?
声の高さで向き不向きは決まりません。大切なのは、聞く人に届く、心地よい声の出し方です。土台の発声を整えると、自分の声を生かせます。
長く話すと、のどがつかれます。どうすればよいですか?
息のつかい方や姿勢を見直すと、楽に話せます。それでも痛みや強い違和感があるときは、がまんせず専門の機関に相談してください。

参考にした一次情報

  • 滝廉太郎『荒城の月』『花』はパブリックドメイン(滝廉太郎は1903年没・著作権保護期間満了)
  • こえ仕事 編集部 編『声の仕事 レパートリー』(版権切れ・童謡唱歌カテゴリ)