オンラインの音トラブルへの備え

やり方レック監修: 上野目 泰之4

オンラインのレッスンで起きやすい音のトラブルと、本番であわてないための備え方を、やさしい順番でまとめます。

結論:音トラブルは「起きてから直す」より「起きる前に備える」

オンラインのレッスンでは、音のトラブルがときどき起きます。声がとぎれる、二重に聞こえる、キーンと鳴る、などです。でも、こわがる必要はありません。よくあるトラブルは数が限られています。前もって備えておけば、本番であわてずにすみます。

この記事では、起きやすい音トラブルと、その備え方を、やさしい順番でまとめます。

よく起きる4つのトラブル

オンラインの音トラブルは、だいたい次の4つに分けられます。

  • 音がとぎれる — 声がブツブツ切れる。回線(インターネットの通り道)が弱いときに起きます。
  • 遅れて聞こえる — 自分の声が、少し遅れて相手に届く。レイテンシ(音の遅れ)と言います。
  • 二重に聞こえる(エコー) — 相手の声が、こだまのように返ってくる。
  • キーンと鳴る(ハウリング) — マイクがスピーカーの音を拾って、大きな音が回ります。

まずこの4つを知っておくと、トラブルが起きても「これだな」と気づけます。

始める前の「3分チェック」

レッスンの前に、毎回かんたんな確認をします。これだけで、多くのトラブルを防げます。

  1. イヤホンをつける — 相手の声がマイクに戻らなくなり、エコーとハウリングがほぼ消えます。
  2. 回線を確かめる — 動画が止まらず見られるか、ためします。不安なときは、有線でつなぐと安定します。
  3. ほかのアプリを閉じる — 大きなファイルの読みこみを止めると、音の遅れが減ります。

この3分を習慣にすると、本番がぐっと楽になります。

トラブルが起きたときの直し方

それでも起きたら、上から順に試します。あわてず、一つずつです。

  • 音がとぎれる → 自分のカメラ(映像)をいったん切る。映像を止めると、音に回線をゆずれます。
  • エコーがする → 相手か自分の、どちらかがイヤホンをしていないことが多いです。声をかけて確かめます。
  • ハウリングがする → スピーカーの音量を下げる。イヤホンに変えれば、ほぼ止まります。
  • どうしても直らない → いったん退室して、入り直す。これで直ることはよくあります。

直し方を紙に書いて、画面のそばに貼っておくのもおすすめです。

「うまくいかない日」の心づもり

備えても、トラブルがゼロにはなりません。これは、あなたのせいではありません。

大切なのは、代わりの手を用意しておくことです。たとえば、音だけの通話に切りかえる、別のアプリを予備に決めておく、後日にふりかえる、などです。「もしダメでも、こうする」と決めておくと、心に余裕が生まれます。

教えるときに役立つこと

音の備えは、そのまま「生徒さんに安心の場を用意する技術」になります。これは、教える人の大切な力です。

  • 初回の前に、生徒さんへ「イヤホンを用意してください」と一言伝える。
  • トラブルが起きても、あわてず落ち着いて対応する姿を見せる。
  • 直らないときは、生徒さんを責めず「環境のせいだよ」と声をかける。

声を教える仕事では、生徒さんの小さな声の変化を聞きとります。音がにごっていると、それが分かりません。だからこそ、音をととのえる備えは、指導そのものの質を支えます。

なお、長い時間むりに声をはり上げると、のどに負担がかかります。聞こえにくいからと、大声を出しすぎないでください。もし声がれや、のどの痛みなど強い不調が続くときは、無理をせず耳鼻いんこう科などの専門機関へ相談してください。これは、生徒さんに伝えるときも同じ大切な約束です。

自分に合うやり方を確かめる

音の備えは、知ってしまえばむずかしくありません。独りで悩まず、一つずつ覚えれば大丈夫です。

オンラインでの指導に興味がわいたら、まずは適性診断で、いまの自分に合う進み方をやさしく確かめてみてください。あなたの「教える力」のヒントが見つかります。

よくある質問

高い機材をそろえないと、音トラブルは防げませんか?
いいえ。まずはイヤホンをつけ、回線を確かめ、ほかのアプリを閉じるだけで、多くのトラブルは防げます。高い機材より、起きる前の3分チェックのほうが効果が大きいです。慣れてきたら、外づけマイクなどを少しずつ足してください。
レッスン中にキーンと音が鳴ります(ハウリング)。どうすればよいですか?
まずスピーカーの音量を下げ、イヤホンに切りかえてください。ハウリングは、マイクがスピーカーの音を拾って起きます。イヤホンにすれば音が回らなくなり、ほぼ止まります。相手側がイヤホンをしていない場合もあるので、声をかけて確かめましょう。
備えても音トラブルが起きてしまいました。生徒さんに申し訳ないです。
トラブルがゼロになることはなく、あなたのせいではありません。音だけの通話に切りかえる、後日ふりかえるなど、代わりの手を決めておくと安心です。あわてず落ち着いて対応する姿そのものが、生徒さんへの安心になります。