レッスンを録画して活かす

やり方レック監修: 上野目 泰之3

レッスンの録画は、消えてしまう声を学びに変える教え方。機材選びから見直し方の設計まで、生徒の成長を支える使い方を解説します。

レッスンの録画は、生徒の成長を「見える形」に変える教え方です

レッスンを録画すると、生徒さんは自分の歌を後から見直せます。その場で消えてしまう声を、残して学べる形に変えられます。これは設備というより、教える側の工夫のひとつです。

なぜ録画が学びを助けるのか

人は、自分の声を歌っている最中には聞き取れません。歌うことに集中しているからです。録画があれば、生徒さんは落ち着いて自分を見つめ直せます。

  • 口の開け方や姿勢が、目で確かめられる
  • 先週とくらべて、どこが変わったかが分かる
  • 言葉だけの説明より、納得しやすい

つまり録画は、生徒さんの「気づく力」を育てる道具です。

用意するものは、むずかしくありません

高い機材は、はじめは要りません。スマートフォン1台でも始められます。大切なのは、続けやすい形にすることです。

  • スマホを立てる小さな台
  • 三脚があれば、なお安定する
  • 明るい場所を選ぶ
  • 録画は短く区切る(2〜3分でよい)

まずは身近な道具で始めて、必要になったら少しずつ整えましょう。

記録を「成長の地図」として設計する

録画は、ただ撮るだけでは力になりません。指導者が、見直し方まで用意してあげることが大切です。これは、生徒さんのために学びの場をデザインする技術です。

  1. 目的を決める — 「今日は息の流れを見る」と一点にしぼります。
  2. いっしょに見る — 撮った後、よかった所を先に伝えます。
  3. 記録を残す — 月に一度見返すと、成長がはっきり分かります。
  4. 無理に見せない — 自分の声が苦手な人もいます。本人の気持ちを大事にします。

録画を発表会や記念の歌として残すのも、生徒さんの目標になります。これも、指導者が用意してあげられる「成長の場」のひとつです。

録画を見せるときの心づかい

自分の歌を見るのは、勇気がいることです。だからこそ、伝え方に気を配りましょう。欠点ばかり並べると、生徒さんは自信をなくします。よい所を先に、直す所はひとつだけ。これが、長く続けてもらうコツです。

なお、声に痛みや強い不調があるときは、録画で確かめるより先に、専門の医療機関へ相談してください。

教える道もある:記録を「指導の力」に育てる

録画の活用は、そのまま教える人の力になります。何を撮り、どう見せ、どんな言葉を返すか。これは、生徒さんの成長の場を設計する技術です。仕事を紹介したり、お金をかせがせたりする話ではありません。あくまで、教える側が学びの場を整えてあげる工夫です。

この設計の考え方を、ひとりで悩まず体系的に学びたい人もいるでしょう。記録を生かした指導の組み立て方は、指導者育成プログラムで土台から学べます。

どんな教え方が自分に合うかは、ひとりでは見えにくいものです。適性診断で確かめてみてください。

よくある質問

録画にはどんな機材が必要ですか。
はじめはスマートフォン1台で大丈夫です。立てる台と明るい場所があれば始められます。続けてみて必要を感じたら、三脚やマイクを少しずつ足していきましょう。
生徒が自分の歌を見るのを嫌がります。
自分の声を見るのは勇気がいることです。無理に見せず、まずはよかった所だけをいっしょに確かめましょう。本人が見たいと思えるまで待つ姿勢が、長く続ける助けになります。
録画は毎回したほうがよいですか。
毎回でなくて大丈夫です。月に一度など区切って残すと、成長の変化が分かりやすくなります。目的を一つにしぼって短く撮るのが、続けやすいコツです。