価値で決める料金という考え方

解説みお監修: 上野目 泰之3

レッスンの値段を「時間の長さ」ではなく「生徒に届く変化」で考える見方を、書き出し用の質問と料金の組み立て例つきで、やさしく解説します。

同じ60分でも、値段の根拠は変えられる

レッスンの値段は、時間の長さだけで決めなくてよいです。生徒に届く変化を根拠にする見方があります。これを「価値で決める料金」と呼びます。

ここでは考え方と、明日から試せる組み立て方を順に紹介します。

なお収入は人によって大きく異なります。生徒の数や地域、レッスンの回数で変わるため「必ずこうなる」とは言えません。だからこそ金額そのものより、料金の組み立て方を整えるほうが長く役に立ちます。

時間あたりの値づけだけだと、なぜ頭打ちになるのか

時間で値段を決めると、売上に天井ができます。1日の時間は誰でも限られているからです。

  • 自分が動いた分しか、お金に変わらない
  • 回数を増やすほど、体力が削られる
  • 「もっと安い人」と並べて比べられやすい

時間は大事な目安です。ただ、それ一本だと「がんばり=消耗」になりやすいのです。

「変化」を見つける3つの質問

価値とは、レッスンの後に生徒の何が変わるか、です。次の質問に答えると、自分のレッスンの中身が言葉になります。

  • 入会前と今で、生徒が一番喜んだ変化は何か
  • その変化を、生徒は誰に自慢したくなるか
  • もし自分が習う側なら、いくらまで払いたいか

たとえば「高い声が前より楽に出る」「人前でも声が震えなくなった」。この一文が、値段を説明する材料になります。

料金を組み立てる、小さな手順

いきなり全体を上げる必要はありません。次の流れなら無理がありません。

  1. 書き出す:上の3つの質問の答えを、紙に3つ書く
  2. 見せる:その変化を、申し込みページや初回案内に1行で載せる
  3. そろえる:たとえば「単発」と「3カ月の伴走コース」のように、変化の深さで段階を分ける

段階を分けると、安さ比べから離れられます。深く関わるコースには、それに見合う値段をつけてよいのです。

教える側になると、そのまま武器になる

この見方は、指導の力にも直結します。生徒の伸びを具体的に言葉にできる人は、次の練習も的確に示せるからです。

  • どこが良くなったかを、その場で名前で返せる
  • だから生徒は「次も習いたい」と感じる
  • 値段の根拠も、正直に説明できる

変化を言葉にする習慣は、教える人の長い財産になります。最初から完璧でなくてよく、レッスンを重ねながら磨けます。

声に不調があるときは

声の出し方を変えるときは、無理をしないでください。のどの痛みや声がれが続くときは、自己判断で押し切らず、耳鼻咽喉科など専門の医療機関に相談しましょう。続けてよいかの線引きは、専門家に委ねるのが安心です。

自分に向いているか、まず確かめる

「料金の組み立て方を整えてみたい」と感じたら、適性診断を試してみてください。数分の質問で、あなたに合った学び方の入口が見えてきます。迷ったままでも、最初の一歩として気軽に使えます。

よくある質問

値段は今すぐ上げたほうがよいですか?
急ぐ必要はありません。まずは「生徒の一番喜んだ変化は何か」を3つ書き出すことから始めましょう。値段はその後、コースの段階を分けながら少しずつ整えれば十分です。
どれくらいの収入になりますか?
収入は人によって大きく異なり、生徒の数や地域、回数で変わります。金額を約束することはできません。だからこそ、金額より「料金の組み立て方」を整えることをおすすめしています。
歌や指導の経験が浅くても、価値で値段を考えられますか?
考えられます。必要なのは「生徒のどこが変わったか」に気づく目です。これはレッスンを重ねながら育つ力なので、最初から完璧でなくて大丈夫です。